木造在来工法と木の特徴

木造在来工法とは

木造在来工法は日本の伝統的な工法で土台から柱を立て、梁で緊結して軸組みを仕上げていきます。
「将来の間取り変更や増築が容易に可能」、「木の調湿効果が期待できる」、「プラン計画時の自由性が高い」、「開口部を大きく取れる」などの在来工法ならではの特徴があります。
耐震性を向上させる為には壁量を増やすことも重要です。
しかし壁量を増やして、結合部には緊結金物を使用して、筋交いを適所に配置することで強固な耐震性能を確保することができます。
壁量を増やしても大きな開口部を確保することは十分に可能です。
お子様の成長や家族構成の変化により、部屋を分割したり2つの部屋を1つの大きな部屋にしたりと間取りの変更が容易なのも木造在来工法の特徴です。


木の特徴

林野庁のホームページには木材は、「断熱性が高く、調湿作用があり、目に与える刺激が小さいなど、人に心地よい感覚を与える素材です」と記載されています。
そんな心地よい感覚を与える木の特徴を記載します。

①木は適度な湿度に保つ
木には部屋の湿気を吸収し(吸湿)、部屋が乾燥すると気が湿気を吐き出す(放湿)作用があります。
また、湿気を通過させる性質(透湿)もあり、それが自然のエアコンの役目を果たしています。
柱などの構造材だけでなく、床材や壁・天井にも木を使用することで住空間を湿気から守り、家自体を
長持ちさせることもわかっています。
内装材などに木をたくさん使用すると部屋のなかの湿度の変動が少なくなります。

②木は火に強く、断熱性能にも優れている
コンクリートや鉄骨に比べるると、木は火に弱いと思われている場合が多いようですが、これが実は違うのです。
鉄骨の場合、火災になると400°以上の熱が加わると強度は一気に低下して10分後にはその強度は1/10まで落ちてしまい、
崩れ落ちる可能性が高いのです。
一方、木は表面が炭化することで木の内部まで火が及ばないのです。
よく火災現場を見てもわかると思いますが、木の家の場合、その骨組みは黒く炭の状態になっていますが、崩れずに残っている場合が
ほとんどです。
木は目に見えない無数の気泡から成り立っていて、その一つ一つに熱を伝えづらい適度な空気を含んでいるのです。
この気泡は自然なままの木(無垢材)に多く含まれています。
コンクリートなどは空気をほとんど含まないため熱を伝えやすく、鉄骨の場合は余計に熱を伝えやすくなります。

③木は軽く、強度にも優れている
木の長所で最初に挙げられるのは軽量であるということです。コンクリートの1/4程度。鉄骨の1/10程度になります。
地震の際も建物の重量が重いほど負担がかかりますが、新しい耐震基準で建てられた木造建築はコンクリートや鉄骨よりも
地震には強いと言われています。
また強度もコンクリートや鉄骨に比べるとおよそ3倍あり、木材は軽量で強度の高い材料なのです。
ただし、リフォームでは構造材に手を加えることはほとんどありませんので新築やリノベーションの際のメリットということになると
思います。

④木はストレスを和らげる
コンクリートに比べると木にはストレスを和らげる作用があります。
木には森林浴の効果をもたらし、ストレスが和らいで身も心もリフレッシュされる成分が含まれています。
この森林浴の効果をもたらす香りの正体が『フィトンチッド』という成分なのです。
『フィトンチッド』は森林の植物、主に樹木が自分で作りだして発散する揮発性物質で、その主な成分は
テルペン類と呼ばれる有機化合物です。
この揮散している状態のテルペン類を人間が浴びることを「森林浴」と言うわけです。
つまり、木をたくさん使っている部屋は家に居ながら「森林浴」と同じ効果が得られるのです。

⑤木はウィルスの繁殖を抑え、ダニの行動を抑制させる
インフルエンザウィルスは温度が低く、空気が乾燥している状態では長期間生存し続けますが湿度が50%以上の環境になると
ウィルスの多くは死滅すると言われています。
木にはこの環境をつくることができる効果があり、文部科学省のデータでは 「木材を利用した学校の教室では、インフルエンザの
蔓延が抑制される傾向が見られる」とも書かれています。
また、ダニの行動を抑制する効果もあり、天然木のフローリングにすると木の芳香でダニは激減するそうです。